エコール・ド・パリ殺人事件

エコール・ド・パリ殺人事件 レザルティスト・モウディ (講談社文庫)

エコール・ド・パリ殺人事件 レザルティスト・モウディ (講談社文庫)


丁寧で、巧みな作品。
序盤から、芸術に関するエッセイみたいな作中作が載ってて
これが単品で読めるくらいクオリティが高いのです。
ミステリの作中作のイメージというと…
メタな仕掛けにする為だったり、
被害者が何かを告発する為とか、犯人が何かを騙すためとか
自分が主人公の作品だったりとか、そういうかんじだけど
見事に印象を覆されました。
エッセイ、読み物であり、学術的?な価値もあり、
ミステリ的にも重要なポジションを占めており、
しかもストーリィにも深みを与えている。
トリックや推理単品では、すげーって感じではないのだけど
全体的なつくりがうまいなあと。。
それに、まったく推理もできず、手がかりも拾えなかったので、完全に作者に負けました。笑
これはタイトル負けしてなくて、たしかにエコール・ド・パリ殺人事件なのです。