封印再度
- 作者: 森博嗣
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2000/03/15
- メディア: 文庫
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こないだ再読した「笑わない数学者」が、トリックもロジックも比較的シンプルだったのに対して
今回はずいぶんと難しく感じた。説明は明解なんだけどね。
ずいぶん哲学的…。
そう哲学的なんです。森博嗣さんがデビューしてしばらく「理系ミステリ」と呼ばれてたのが信じられないほどに、
今読むと、どの作品も哲学的で文学的だと感じる。
どのへんが「理系」なのかと考えると、
一見して、トリックであるとか、専門用語/舞台などのせいなのかと思える。
けど実際は、観察眼とか再現度とかが理系なのかな。
人の話し方や、出来事を、「小説」という匣の中に入れるために歪めたり膨らましたりせずに…
ありのままに描いてる気がする。
ありのままに書くと言うと手抜きみたいに思えるかも知れない。
でも先入観も、レトリックもなしに、ありのままを書いて小説にするというのはとても難しいことに思う…。
あたりまえのことを、リアルに描いても、作品にはならない。
やはり鋭い観察眼で、新しい視点から描いてあるから素晴らしいのだと思う。
(↑ 会話の内容やジョークがリアルだと言いたいのじゃなくて、会話の不連続性とか飛躍がリアルだと言いたい)
ところで、再読なのに萌絵のアレにはやられました。
再読なので知ってはいたのだけど、
なんでそこまでする、と思ってたら。ヒントが有ったんですねえw