ゆれる

あの橋を渡るまでは、兄弟でした。
「ゆれる」鑑賞@cocon karasuma京都シネマ。田舎で親の仕事を継いだ兄と、東京へ出てカメラマンとして成功した弟。幼馴染の女性。死。
 良かった。おもったよりドロドロした映画で。事件と回想シーンがメインなのかと思ったら、裁判と、その間の心理の動きとか、家族(というか男同士?)の関係とか。タイトルの「ゆれる」が示すいろいろなことと、それの原因となったことたちが良い。話だけ思い返すと、見てていやな気分になりそうな映画だけど、なぜかそんなことは感じなかった。
 準備稿から決定稿に進んだときに、一度削られた台詞があるそうで。香川照之さんは準備稿のうほうがキャラクタがしっくりきていて、削られたセリフというのが、すごーく悪意のある言い方で、けどこれは削っちゃいけないと主張したらしくて。そのセリフがどれかというのは、すぐに分かりました。きっと、面会のあれでしょうね。そのセリフが削られたら、映画が成り立たないくらいのアレだったんで、もしかして違うのかも、という気もするけど。ほんとに香川さんは、兄のキャラクターをよく理解してシンクロしてたんだろうと思う。不安定な精神のあの気持ち悪さはすごい。キャラ的にオダギリジョー食われてしまってるかも。どっちかというと、兄のほうに感情移入させられたし。どんな気持ちでそんなことを言ったかが、よくわかる気がする。不安定といっても、理由があってゆれてるんですよね。