佐藤友哉

1000の小説とバックベアード

1000の小説とバックベアード

小説ってなんだろう?
小説を読むことに、はたして意味はあるんだろうか?
小説は、人を幸せにしてるんだろうか?
読み終えた時、ほっぺたが鳥肌みたいにビビビとなった。
ラストの章がもう凄くて、クラクラしながら読んで。読了してしばらく呆然としてしまって。すごい作品をモノにしたんだな!そりゃあ三島由紀夫賞もらっちゃうわなー。結婚もするわなー、と。
この次に書かれる作品はどうなるのかな?
この作品が、小説と小説家への宣戦布告?
それとも推理小説へのお別れの決意表明?
これだけ「小説」のことが書かれた本に、
ミステリ小説のことは一言も出てこない。
(探偵がひとり登場するだけである。)
彼はもともと小説家だったんだなあ。
ミステリ風のものを書いていたのは、メフィスト賞でデビューしちゃったから、なんかな。
クリスマス・テロルを読んで、新人に対する見方が変わった。
新人作家の本を買って、読む、ということの意味が分かった。
今度は「1000の小説とバックベアード」を読んで、日本文学に対する見方が変わりそう…
書店で本棚を眺めたら、今までと違う気分になるだろう。
なんだか寂しい気持になるのか…
なんだか誇らしい気分になるのか。
小説を好きだと言う若い人には読んで震えてもらいたい作品。