少し変わった子あります

少し変わった子あります

少し変わった子あります

上品で美味しい孤独をどうぞ。
ひさしぶりの森博嗣
あんまりものを食べるシーンが無いと言われたことがあるそうだけど、この作品は料理屋が舞台なので、異色作といえるかも。
もちろん、普通の料理屋ではない。客は常にひとり。
けれど、店が用意した人物と一緒に料理を食べる、特別メニューが有るのである。
(関係ないが、グラマシーニューヨークのケーキと相性が良いと日記に書いてあったので驚いた。美味しいの?)

  • 「少し変わった子あります」

変態っぽい出だし。いったい何を描こうとしてるんだろう?と、どきどきしながら読み進めた。

  • 「もう少し変わった子あります」

そういえば、叔母様に森博嗣の小説を貸していたときに、「このひと、少し変態ね」と言っていたことを思い出す。
変態というかエロチックだなあ。

  • 「ほんの少し変わった子あります」

ひととの会話って、なんなんだろうな、と考えさせられる…
役柄や名前の無い人物をメインキャラとして登場させることで、なにかの本質的なものを描こうとしているようにも思えるけど。どうかな。
ここまで読み進めると、変態的とかエロチックという感想は薄れてきた。
こういった情景には憧れます。

  • 「また少し変わった子あります」

この章のゲスト?、可愛いなあ。
感想を書こうとして気づいたのだけど、前の章を発展させた内容になってるのか。
というか、全体の構造がそうなんだろう。
発展というより、少しずつテーマをずらしていってる気もする。上手い。
墜ちていく僕たち 」も似たような趣向だった気がする。
単行本であることも含めて、ちょっと似たポジションの作品かも。
この章については… 森博嗣の考え方の中で、わりと深く感銘をうけた(というと大げさ)ものを、端的に表してて、とても納得、かつ余韻のあるお話。
続きは明日読もう。