あんなに優しかったゴーレム

ヨーロッパ企画第26回公演『あんなに優しかったゴーレム』鑑賞@新ABCホール
二階席K列だったけど、舞台全体がとてもよく見えた。
舞台が高い目になっていたので、よけいに見やすかったのかも。


舞台はある町の広場。
TVの撮影スタッフが出てくる。ドキュメンタリー番組で、野球選手のインタビューを撮っているらしい。
彼が話し始めた事に、スタッフの反応は…


とても面白かったです。5人で観に行ったんだけど、全員が大満足していたかんじ。
最近の3、4作の中では一番笑った。
お話も、いいかんじ。
あるシーンで異常にテンションが上がってしまって、面白かったのと、感動?したのとで、涙がボロボロでた 笑。
(客席も異様な盛り上がりでした)
あと今回は、ヨーロッパの演技のうまさを見直したというか、あらためて実感したというか。
いつも、わりとグダグダしたかんじを演じるシーンが多くて、あれはほとんど素で演じてるのかなー、と思ってたんだけど。
今回、テンションが上がりまくってるシーンや、呆然としたり、パニクったり、非常に上手い。
あと、テレビによく関わるようになって得た経験を、良い感じで取り込んでるんだろうなーと思った。


以下、お話についてネタバレ気味な感想。
ある不思議な存在(現象)について、信じる信じないという討論を延々としている。
そして、そういうこともありかもしれない、と納得して、受け入れ、信じていく。
(今回の作品は、トリッキーな部分は少ないと思ったけど、この論理展開はかなりトリッキーかつ王道で面白かった。まるで京極堂の話を聞いているみたい)
その一方で、もっとありえない事についての話も出て、
「いや、それは全然別の話だから!」となる。
ところが、最終的には、(その2つの現象の)どっちもあり、みたいなことになりますよね。
これは、一見すると「不思議な事も、ありえるもんだ」という落ちにみえる。
でも、実はそんなレベルの話ではないと思う。
逆に、「こういう説明がつくなら、その不思議な現象もありえるな」と思わせた状況を、
もっとありえない状況を、「説明無しに」見せることで、ぶちこわしている。
…と思うのです。
これは、かなりブラックなオチだなあ…と感じました。
そういう点も含めて、非常に素晴らしい出来だと思いました。