コミックアンソロジー 王子。

小説でアンソロジーといえば、密室とかドールとか、ひとつのテーマでの競作だと思うのに、
どういうわけか、マンガのアンソロジーというと二次創作のものばかりだと思ってしまっていた。
この作品も、読むまでは「なんとか王子」というマンガの二次創作だと思ってた…。
実際のところは、王子キャラをテーマにした競作なんですね。マンガでもこういうものがあるとは、なんか認識してなかったなー。他の出版社からも出てるのかな?
・憑依王子「桜並木の武将」(ヨシノサツキ
ヒロインに武将が憑依してしまうという話。絵的に面白くて読んでて気持ち良い。いい話だし、他の作品も読んでみたくなった。

・名門王子「 LOVE☆ASSASSIN」(葉山せり)
1ページ目の鼻血と、2ページ目で明かされる設定にやられました笑。自分にとっての王子キャラを暗殺しなくちゃいけないという…w
マンガで見ると、鼻血って良いものだ…。表情のデフォルメの仕方も、けっこう好き。

・女装王子「ロミオ死すべし」(藤田まる美)
いままで読んだシェイクスピアもののなかでも、かなりウマい!と思った。
男子校でロミオとジュリエットとか、女子校で、とか(ようするに、共学じゃない学校でシェイクスピア)はありがちですが、これは男子校の生徒が女装して女子校に忍び込み、ロミオとジュリエットを演じる…と、ヒネリがきいてるし、ロマンがあるし、演劇っぽいギミックもあるし、読んでて楽しかった!