四季 夏

四季・夏 (講談社ノベルス)

四季・夏 (講談社ノベルス)

孤島の研究所。13歳の天才少女が起こした事件。
素晴らしい。
事件の謎を期待すると肩すかしかもしれないですが…。
やはり、天才を描くために、脳や認知の問題を相当上手く取り入れてると思った。
とくに、疑問に思っていたところがサラリと説明されていた。


というのも、真賀田四季がいくら天才で、ほとんどのことが経験が「想像通りです」というひとでも
クオリアというか…色などの情報についてはどうなんだろう?」
って気になってたんですよね(四季はどう考えてるのか、どういう設定になってるのか、程度のニュアンスで)。
たとえば、「何色に何色を混ぜたら何色になるか」、という問題を知識としては知っていても、「それがどんな色か」というのは、見た事がない色については、分かりようが無いだろうな、と考えていたのです。
そうしたら、やはり色というものについても触れられていた。


そして、それとは別に前から気になっていた、「現存する単語、形容詞以上に細かい情報はどうやって記憶するか」ということについても、ちゃんと触れられていた
(こちらは個人的に前から気にしてたことで、四季がどうと言う話ではない)。
そして、今書いてて気づいたのだけど、四季が経験しようとしたことは、ほとんどクオリアに関することなんだね。
説明の付く事は、全部、先に分かってしまう。
説明のつかない現象だけは、直接やってしまうんだな。