ハルシオン・デイズ

金蘭会高校演劇部 卒業公演「ハルシオン・デイズ」観賞。
幕が開き、カノンの合唱。歌が終わると、3年生を残して後輩達は観客席につく。
舞台の上には月が映し出されていて、1人が独白する。
「眠れない夜には…月を見上げる、ハルシオン を飲む、インターネットをする。
『自殺』と『絶望』で検索すると、1万件のサイトがヒットした。
『自殺』と『希望』で検索すると、3万件。
自殺は、絶望より希望と語られる事が多いらしい。」

というわけで、自殺サイトで知り合った3人+1人が公園で会うところから始まるお話。
どうやら、そのうち1人はカウンセラーで、自殺をやめさせようとしているらしい。
いっぽう自殺を希望するひとたちは、前向きに楽しく死のうと考えているようだ。


自殺に関するお話なんだろうけど、戦争やテロで人が死ぬことを、
「その場に居合わせた偶然」みたいな風に言ってるところがグサリときました…
日本人は、他の国に比べて、生死に関してはオッズの違う場に居るんだろうなあ。

以下、観てないひとには意味が分からないと思うけど、役者さんに関する感想。。

3年生が4人だから、4人用の脚本になるんだね(当たり前か)
4人のうちひとりは、裏方さんだったのか、あまり覚えてない方だったのだけど他の3人に混じっても遜色なく、
あとの3人は、もともと演技がとても気に入ってる役者さんで、最後まで楽しく見る事ができた。


「人間の盾」の原田さん役のひとは、こういう、ちょっとおかしい指導者的立場の人がうまい。
妙にキャラの説得力があって…おかしさとカリスマを併せ持ったような魅力があり、たまんないです。
この人が出るだけで劇は一段階面白くなるだろうなと思う。ポジション的には堺雅人みたいな?


カウンセラー役のかたは、最初は声だけが気になってたんだけど
じつは表情も多感な感じでうまいなあと思う。
健気にまっすぐに生きてるように見えて、実は微妙にずれてるキャラとかが似合いそう。


哲子さん役のひとは、いつもお母さん的な役が多い気がするけど、
妖精のティターニアが印象に残ってる。あれはハマリ役だと思う。
妖艶さと、しずちゃん的ブサカワイイかんじを併せ持ってるひとだと感じたかな。
(ほんとはカワイイんだろうけど、ポジション的に。)
ちょっとまだ底知れないというか、演劇続けるようなら、さらに化けはるかも。


この3年生は好きな役者さんが多かったので、もう見られないと思うと寂しいです…
で、思わず
「どこか劇団でやらないんですか?」
なんて聞いてしまったのだけど、よく考えたら、劇団の前に、次はまだ大学があるんだった(笑


昔の卒業生のひとたち、どっかの劇団でやってるのかな?
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