TRICK×LOGIC Season2「目の壁の密室」

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大山誠一郎さんの「目の壁の密室」、時間ギリギリで応募。
今回は難易度が高かった…初読でいくつか気になるポイントはみつけたものの、苦労しました。
推理以前の段階で妄想したものは、
「鐘を衝くように窓の外(具体的にはトイレ)から殺害した」
というものですが、さすがにそれはなさそうですw
以下、推理。当たってたらネタバレなので注意。
まず、最初に気になった点
1. 鐘の音がポイントになりそう
2. 青木警備員の驚き方の描写が不自然
3. 予備の車椅子があやしい
4. トイレの描写が怪しい

まず1.については、被害者が10時には防音のきいた部屋にいたということで間違いないでしょう。
2.に気付いてから、アレ系のトリックにも気をつけて読みました。
まあ全員の視点で描かれているので、どうしてもソレは入ってくるでしょう。
そして、じーっと文章を眺めていて気付いた。
女医による死体発見シーンには、時間も場所もハッキリ描かれてない!
これは、自然に前後の流れとマッチさせて読んでしまう心理をついた、うまいトリックだなーと思った。
これと2.の描写により、
「青木警備員が驚いてるのは、死体が予想外の場所に有ったから(つまり青木が犯人)」
「女医が死体を発見して移動させた」
という大きな2つのポイントが確実になると思います。
が…
それじゃあどうやって移動したの??
というところで詰まってしまった。
ここだけは、サークルのメンバーに、
「被害者がトイレの窓の鍵を開けた」という推理を教えてもらった。


全体の流れとしては、こんなかんじ。
・9:01 被害者がトイレの鍵を開けにいく
・9:10の面会が終わった後、自室の窓からトイレの窓を経由して(トイレの鍵は閉めなおす)、楽器店へ移動
・10:10 警備員が楽器店へ。殺害。
・10:40ごろ?女医が楽器店へ。死体を発見し、
 「ここで死んでいては、骨折の偽装がバレる」とビビる。
・10:50 予備の車椅子を使い、楽器店から被害者の部屋へ移動
 警備員が駆けつけて、驚く。

…というかんじで。「単独犯」「犯人以外は嘘をつかない」というルールをギリギリで守った、かなりトリッキィな作品だと思う。