トリックスターズ

トリックスターズ (電撃文庫)

トリックスターズ (電撃文庫)


魔女狩りで魔術師が激減し、魔術師が6人しか発見されていない現代。日本唯一の魔学部のある大学を舞台にとある事件が起こる。
文体は落ち着いていて、魔術の設定もしっかりしてそうで、雰囲気が有る。
これは期待できそう!

…と思ったんだけど…この真相は納得いかない〜!!
以下ネタバレ気味のツッコミです
魔術の射程距離とかがハッキリしてなかったから、そういうことが可能かどうかが読者には分かり得ないやん!
というのが一番突っ込みたかったところです。
…それとも、書いてたっけな?うーん、分からん。
一応、読んでて、「犯人はこの種類の魔術を使うんだろうな」というのは考えてたけども。


あと事件とは直接関係ない「七番目の欺計」も、ありがちなトリックではあるけど
使われ方が非常に下手で、もったいない!
真相が分かったら、あるシーンの意味がくるりと反転する、ってタイプのではないし。
というか不可能命題(アンフェア)だと思うんだよね…
嘘はついてない、微妙な違和感を与えるようなヒントは出されてたものの、
読者が真相を確信できるようなヒントは出されてなかったように思う。
特に、最初にあの人とあの人が出会った時の描写とか
完全に、勘違いさせるためだけの言葉がある。
真相が分かっても、意味が反転しない。
単純に、読者を騙すためだけの言葉だと思う。


そのほかにも。
「寝過ごしたことに慌て過ぎてコーヒーのカップを引っ繰り返し、右手首を火傷してしまった」
みたいなエピソードが描かれてたのも、なんか非常にモヤモヤします。
寝過ごした時に熱々のコーヒーを飲むか??
そこまでコーヒーにこだわりを持ってるようなキャラ設定でもなかったし。
なんだか、面白いんだけどモヤモヤするところの多い、非常にもったいない作品…
シリーズの後の方のやつが評判良いみたいなんで、もうちょっと読んでみます。