ベスト本格ミステリ2011

ベスト本格ミステリ2011 (講談社ノベルス)

ベスト本格ミステリ2011 (講談社ノベルス)

選び抜かれた、最旬本格ミステリ10作品を収録!
深緑野分さんの「オーブランの少女」読了。
「オーブランほど美しい庭は見たことがない。」と、美しい風景を描く文章から始まる。
けどお話が始まると、不穏な空気がピリピリとしていて、
美しさと、おぞましさの予感、それが入り交じって、読んでいて気持ち良い感覚。
殺害方法が謎とかいうものではなく、シチュエーションや舞台の謎、という系統の作品で、その点も好みでした。
洗練され過ぎた文章ではなく、外国の作品を巧く意訳しようとしたような、独特の雰囲気があります。
ちょっと終盤が急ぎ足というか、唐突な印象もあったのだけど、
再読するとそれも変わるかな?
あまり真相を当ててやろうとか考えずに、オーブランの雰囲気を味わうのが良いように思う。