読んだもの 夢幻潜航艇＠アリスへの決別

アリスへの決別 (ハヤカワ文庫JA)

収録作、書き下ろしの「夢幻潜航艇」読了。
現実崩壊し、確実性を失った世界「亜夢界」で暮らす人々。
そこでは老衰もなく人が亡くなるのは、アイデンティティを失った時だけ。

これの導入部にあたる「オルダーセンの世界」はイマイチだったけど…
これは面白い！
不確実なものの描写、現実と虚構の世界が移ろうときのがすごく巧いし、
後半の、別の言語っぽいところの文体がすごかった。
アリスのジャバウォックのようであり、もっとナチュラルなようでもあり…
最後の短編だけで、この本を買って良かったなあと思えた。