無名劇団

無名劇団「V.S.O.P BLACK」観劇@Bar MICMAC。バーなので劇場じゃないです。舞台まで1メートルくらいの距離で、20分のショートストーリーを4つ観た。1つは劇団の脚本家が書いたもので、のこりは普段書かない人たちの競作だそうです。
1つめ:野球部のエースに告白された、と幼馴染であるマネージャから聞いた主人公は、「ふーん良かったじゃん」というような態度をとる。そして数年後、エースと主人公は再会する。というかんじの話。すごく普通でした。最後に大事な台詞を言うシーンでBGMが大きくなり、口パクになるという演出がベタかもしれないけど良かった。マジメな話だからか1作目だからか、ちょっと演技が堅かった気がする。もしかすると、あだち充のマンガのように、あえて何かを抑えた表現をしていたんだろうか。
2つめ:職場で、便利屋として後輩にまでいろいろ頼まれる主人公。舞台は自分の部屋。ルームメイトとも、内なる自分ともとれるような真っ白の服の人物がいる。主人公は「いいのよ、これは頼られてるのよ」と自分をごまかしているのだが、もうひとりが否定する。そこへ後輩から電話、また頼みごとをされる。快く受け入れようとするが、もう一人の人物と同時に、つい本音の発言をしてしまう。というかんじの話。面白かったです。「もうひとりの自分」ぽい演出をあえてしてなくて、ただ部屋に2人の人が居るような感じで始まるのが良かった。いやもしかすると、ほんとに2人居たのかも知れんけど。白い服の人がとても表情豊か、表情で演技していて良かった。そのせいなのか、話はベタなハズなのに一瞬一瞬を楽しく観る事ができた。1つめにヒロイン役で登場してたひとが、いやな後輩役で出てくるのもショートならではでイイね。
3つめ:早朝、オートロックのマンションのエントランス前。OLが、後輩の部屋のナンバーを押して起こそうとしている。後輩のデビュープレゼンの資料が心配なのだ。エントランスにはもうひとり女性が居る。意中の人のために朝食を作りに来たと言うのだが、部屋の番号がうろ覚え。どうしたものか…という話。1作目2作目がベタっぽい設定なのに対して、これはオリジナリティがあってよかった。聞いたことのない話だというだけでも面白いものです。客演の、普段カメラマンやってる人の演技が意外と良かった。
4つめ:舞台は男子寮、共用の洗濯機が置いてあるスペース。ダンサーが、彼女へのプレゼントしばらく預かっといて、と寮仲間のムーンウォーカーに箱を渡す。箱を汚してしまったムーンウォーカーは、かわりの箱を見つけてこようと、なぜかプレゼント(ブラジャ−)を放置したまま箱を探しにいく…。そこへ別の寮生がやってきてブラを拾って「??」となる。そこへさらに別の寮生が入ってきて、おもわずブラを隠してしまう…というかんじ。なぜ洗濯機スペースにブラジャーがあるのか、だれかの彼女の?それとも女装してるやつがいる?などと各寮生が深読みしたり気を使ったりで、隠したり隠されたりでいろんなハプニングや誤魔化しが起こりまくりで非常に面白い話でした。どの役者良かったとかではなく、エロネタだからか全員すごく生き生きしてますねw。みんな良かったです。
4つ目のが、普段脚本を書いてる人の作品だということで。この面白さなら次もぜひ見たいと思います。
http://www.k4.dion.ne.jp/~mumei/
追手門のOBOG中心の劇団だそうです