ピースピット SMITH (P)


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ピースピット「SMITH」観劇@HEP HALL。いやあ凄いものを見て仕舞った。もしかしたら伝説の一夜かもしれない。どのへんが伝説なのかは、後半のネタバレ感想で。以下、物語の導入部。
 砂漠都市、空中都市など5つの都市が1000年にわたって戦争を続ける世界。物語の舞台となるのは、他の5つの都市に武器を売りさばく永世中立都市「SMITH」。
 そんな街スミスの夜の繁華街、ひとりの少女を取り囲む謎の集団があった。そこを通り掛った街の便利屋「芥屋灰次郎」は、少女をうまく逃がしてやる。
 夜は明けて。街で噂の吸血事件の容疑をかけられる灰次郎。現場不在を証明するには、逃がしてやったあの少女を見つけなければ…。少女を追いかける組織。灰次郎。それを追いかける借金取り。
 といったかんじで。ビラとPVを見た時点では、ただのチャンバラアクションかと思ってたのだけど。舞台設定キャラ設定、伏線に演出、なかなか凝ってて予想以上の腹一杯。
 そのPVってのはロミオとジュリエット観劇のときに流れていたもので、スウィングのBGMに侍姿のキャラが延々とスライドショー的に流れるだけのものだったんだけど。キャラクターの名前が格好良くて。芥屋灰次郎、茜屋毬ノ介、黒猫屋カフカ、朧屋ギンコ、朱扇屋胡蝶…この名前のセンスとルックスだけですっかり魅せられてしまい。しかもビラを見てみれば、見てみたいと思っていた劇団たちのオールスター。

 ちょい高かったのだけど見に来てみればPVに偽り無し、男は美形か変態ばかり、女は美乳の美人揃い。物語も笑いもぬかりなく。3時間という長い舞台が、わけあってさらに長く4時間弱になったのだけど、最後まで飽きること無く楽しませて頂きました。
 これだけ人数がいて、全部キャラがたってる上に全員がずっと登場して動き回ってるのが凄い。残念なのは、噛みまくってたという点。ちょっとヒヤヒヤした。声がそろってないところが有ったり、滑舌の悪い人がいたりして、声関係の稽古がちょっと足りてないのじゃないかと思った。アクションが激しいだけに。
 個人的お気に入りは、毬ノ介役の赤星マサノリさん(美形)@劇団☆世界一団、三日月吹雪役の森口直美さん(かわいい。金原ひとみっぽいルックスが気になる)、助屋バンコク役の隈本晃俊さん(味が有る)@劇壇未来探偵者、そしてもちろん、何百人を斬りまくった芥屋灰次郎役の山浦徹(男前)@化石オートバイは格好良かった。
 さてここからがヤヤネタバレ。最初に「凄い」と書きましたが、なにが凄かったって、100人斬りのシーンがあって、そんなシーンが有るってだけでも凄えと思うんですが、なんと途中で数人分殺陣を跳ばしてしまったってんで、「もう一度最初からやらせてもらうのはアリでしょうか?」と。冗談かと思ったら本当に。裏では大混乱で準備している間、舞台では何人か交代でトークで場をつなぎ、本当に二度目の100人斬り、2回合わせて200人斬りとなったわけです。ネタの割れてしまった殺陣をもう一度見るのか、とちょっと不安になったりもしましたが、それはそれで天丼的(二度目ゆえのクスクス笑い)な要素が有って面白く、へとへとになりそうな灰次郎を心配しつつ、客席と舞台が一体になった心地が有りました(拍手は1回目より大きかった)。とても得した気分です。
 とまあ、ここまでの話で分かるように、殺陣がかなりの割合を占めてまして。そしてSMITHでは立ち会いの前には名乗りを上げるってのが作法となっておりまして。そこでこの、格好良く変わった名前が存分に名乗られるわけで。印象では、殺陣が全体の3割、見栄と名乗りと決め台詞が1割、ってところ。
 これ以上はさらなるネタバレになるので書かないけど、5つそろわないと効果を発揮しないウイルスや、いろいろな特殊能力の扱いがうまい!(ただのギミックというか、盛り上げるために適当に作った能力だと思ったら、ちゃんと話の中で意味が有った)
 劇が終わると、HEP閉館5分前の22:55。スタッフさんに追いやられるように退出となりました。長かったけど、面白かった〜。