ユリイカ百貨店"Dramatic Odd Theater"

"Dramatic Odd Theater"鑑賞@古今烏丸 Shin-bi
http://yuriika100.riric.jp/
ユリイカ百貨店江戸川乱歩へのラブレターを表現する、と聞いて「演劇じゃなくて朗読?」とも思ったのだけど、見に来てみればちゃんとエンゲキだったので安心。ユリイカの俳優たちの声や節回しが好きとはいえ、朗読だけだとつらいもんね。
会場は50人入るか入らないか程度の小さい場所で、そのぶん舞台もこじんまりとしている。
というか、人形劇に使うような小さな枠?が舞台なんだから (笑
そして、客席の最前列(に見える場所)も舞台の一部。
小林少年が「僕の敵、ワンダフル・エネミー」候補として認めたのは、ある女優に恋した外国の男。
20の顔を持つ女優の心を引くには、同じく20の顔を持つ怪人二十面相になるしかない…
ってことで、敵を求める小林少年と利害が一致したわけですね。うーーんイカす設定だ。
そして、彼が選ばれるのにはもうひとつ理由(バックグラウンド)があったんですね。

あいからわずロマンチックで、光の使い方、小道具や舞台のギミックが面白く、かわいかった。
特に、舞台の中に舞台が有ったり、舞台の外に舞台が有ったりする演出は、
物語自体の入れ子性をそのまま表しているようで「お!」と思った。
「ゾロメ」のときに「良いなあ〜」と思ってた女優(尾崎しのぶ?)さんも、改めてやっぱりいいかんじ。
二十面相役のダニー・ドニー・クラークさんも良かった(単発の出演かな?)
少し残念だったのは、少年探偵団ばかりフィーチャーされてて、パノラマ島や屋根裏、押し絵あたりのテイストは全く入ってないこと。
これはユリイカのテイストからすると仕方が無いことなんですけど…
乱歩の猟奇性を求めると肩すかしを食らいそうで、
ロマンだけでなく、もうちょっとミステリ味があれば良かった。
でも、十分堪能できました。このシリーズがまた有ったら、次も見るつもり。