ブラインドネス@ピカデリー梅田

ブラインドネス [Blu-ray]
http://blindness.gyao.jp/
客席の入りは半分以上、ってことろかな。
謎の病気で、視界が真っ白になる人が増えていく…という話なんだけど、
パニックムービーだと思って観にいくと痛い目に遭うかもしれません。
(びっくりさせられるシーンがいっぱいあって、最後には原因を見つけて解決する、という作品ではない)
極限状態で人々がどのように醜く、自己中心的になっていくのか。
また逆に、どのように慈愛の心が生じるのか。
という、重い作品だと思います。
作中、最も重いと思われるシーンでのミニマルなBGMが恐ろしかった。
そしてラストシーン。シンプルすぎる、伏線を回収してない、と感じる人も居るかもしれないけど、
これ好きです。


あの人物に一瞬生じた良心の呵責、罪悪感は?そのあとの話に繋がらないのか?
不要です。
ただ「ある」ということを示しただけで十分だと思う。


病気の原因は?解決方法は何だったのか?
それも描く必要は無い。
むしろ、描かない事で、他の事を描く時間をさけるので良かったと思う。


伊勢谷友介さんはけっこう重要な役でしたね。始まりであり、ラストでも重要な役割で。
日本語がなぜかカタコトぽいというか、棒読みっぽいのだけど、個人的にはそれも良かった。
なんか、あの棒読みによって、ヘンな距離感が生じると思うんだけど、それが心地良かった。
感情があまりこもってないことで、叙事詩的な雰囲気が出て、
ちょっと聖書とか神話すら連想させそうなこの作品にマッチしていたと思うのです。