読んだもの 白の闇
- 作者: ジョゼ・サラマーゴ,雨沢泰
- 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
- 発売日: 2008/05/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 7人 クリック: 41回
- この商品を含むブログ (37件) を見る
私たちはすでに、心の視力を失っている…。いやー。素晴らしい。
ノーベル文学賞のひとだというから敬遠してたけど、とてもエンターテインメント。
先に映画(ブラインドネス)を見ていても、一瞬たりとも退屈しなかった。
で、原作も凄いんだけど、映画は映画で良かったと思う。
映画の良いところは…
・登場人物の名前が一度も出てこないところが、映画のはさりげなくて良かったと思う。
・小説はすこし、「これって寓話的でしょう」というのが前面に出てたけど、映画はさりげなく寓話的で良い
改行が無くて、地の文と台詞が混在したような文章は、舞城王太郎を連想させるんだけど、でもちょっと違うんだな。
舞城はその文体からリズムとか圧力とかを感じるんだけど、サラマーゴのはそれがなくて。
目が見えないことと、名前が出てこないことと、この文体は…深く絡んでる気がします。
続編の『見えることについての考察』は出版されてないのかな?