追手門学院大手前 演劇部「走れアリス!」

幕は下りている。幕の手前、奥を向いて走っている赤いパーカーと、こちらを向いて走っている女子がいる。
幕が開く。
舞台中央に、階段と小さい橋。
ハートのクイーン、キング、チェシャ猫、気狂い帽子屋…のような格好をした面々が橋の上に並んでいる。
「走れ、メロス!」
メロスは走った。
犬を蹴飛ばし、川を越え
犬を蹴飛ばし、橋を越え
犬を蹴飛ばし…走れメロス
「へっ、戻るわけないだろ」!とメロス。
「この街ではだいぶ悪いことしたからな…次はラスベガスに行ってひと稼ぎするか!」
そのころ王様は処刑できずに困っていた。
「まさか戻らないとは…」
そこでセリヌンティウスは、弟子を人質に…


といったかんじの、ネット内の「おとぎ話を現代風にするスレ」に、
現実世界の陸上部のことが絡んでくるお話。
アリス風のキャラクタは、アバターだったわけ。
現代風にアレンジされたおとぎ話がいろいろ出てきて面白い。
ニコニコ動画とか「リア充」とか今風な言葉がネタに使われてたけど、審査員のひとは理解できたかな?w
基礎がしっかりしてる金蘭に比べると、滑舌が悪かったり早口で聞き取りにくかったりというアラはあるものの
発想とか、キャラ立ち、衣装などが素晴らしい。
とくにラストシーンは、話としてだけじゃなく、光景が美しかったです。


追記:何日かたって、じわじわきてます。泣きそうになる。
もしかして、お話そのものよりも、
あんなお話を見せてくれた彼らにウルウルきてるのかもしれないが…
あとになっても、自分の中で息づいてるというこれは
良い舞台だったのだなと思う。