ユリイカ百貨店「復刻版ゾロメ」@art conplex 1928

ユリイカ百貨店 9th stage 「復刻版ゾロメ」鑑賞。

ひゅるりと鳴くは北の風
ごごうと唸るは南風
ゆるりとよろめき春の風
ヒタリ無風の獄中に、
ふわりと消えた、ゾロメの姿…
今回はホールの入口側が舞台で、客席が奥にあるタイプ。
左手に円形の舞台。右手に高座。
ホールの入り口が開き、「前を失礼」というような仕草をしながら、役者達が入場する。
講談師が高座に上り、頭を下げた状態で待機。
しばらくして、客席からすっとおばさんが立ち上がり
「男が故郷に戻るときは、五色の錦を飾るときさ。女だってそうさ。」
誰かに語りかけるように
「あんたが生まれたときの話をしようか。」
怪盗ゾロメの話を始める。


復刻版じゃないオリジナルのを当時観てたんです。それでこの劇団が好きなったんだ。懐かしいな。
怪盗ゾロメとその相棒、怪盗の活躍を話して聞かせる講談師とその弟子。
この4人の関係が面白い。
そこに、前回はいたかな?三太(あえてこう表記してみよう)という人物が増えてた気がする。
これがまた、いい味を出している。


この劇団の一番の特徴は、言葉の使い方だと思ってるんです。
元々、シェイクスピアばりの韻の踏み方に、抑揚のついたしゃべり方
それが講談師と怪盗の話だってんで、いつもより節回しが面白い、見栄がきいている。
とても心地よかったです。
それに加えて、かばんの開く音だとか 小道具を動かす音までなぜだか粋に聞こえてくるから不思議。
小道具が可愛くて、舞台の使い方が面白くて、音だけじゃなく目でも楽しい。
ちょっとそこを楽しみすぎて、話を追うのを忘れてしまいそうなほどでしたw


岡嶋秀昭さん、たしか劇団衛星のかた、彼がとても良い感じでした。
正直、あの役にすべてかかってると言ってもいいような…
それから、最初にしゃべった女優さんが、小劇団では珍しくメイクとかじゃなく本当に歳の行った女優さんなんですが
これがまた素晴らしかったです。