読んだもの 逮捕されるまで 空白の2年7カ月の記録

【送料無料】逮捕されるまで [ 市橋達也 ]
市橋達也の本を読了しました。
申し訳ないけど、正直かなり興味深かった。
逃亡生活、サバイバル生活、日雇い生活。どれも自分とは縁がないものだから。
あたりまえだけど、緊張感がある話。
それに草花や景観の描写が意外なことにきれい。
これはランドスケープを学んでいたことと関係あるかもしれないし、罪の意識にも関係が有るのかもしれない。
こういう本を出すべきじゃないというひともいるだろうけど、
逃げるときの惨めな気分や恐怖感などが描かれているなら、ある意味では抑制になる…かも…?

以下、ざっくりとした内容。
ネタバレなので買うつもりの人は読まないほうがいいです。
この本にお金を払いたくないひとは、ざっくり内容が知れると思うのでまとめてみました。
(読んでると決断力や判断力がすごいなと思うんだけど、ところどころ、どうやって移動したか忘れてるところがあるみたいで。そのあたりは実は何も考えずに動いてたんじゃないかなという気もする。)
警察がマンションを訪れるところから記述が始まる。

第1章
・警察を振り切り、住宅街を逃走
 → 逃走中に靴が脱げるが、ジャンパーとサンダルを拾う

・上野の病院トイレで、自分で鼻の整形を試みる

・秋葉で靴、リュック、スナックなどを購入
・どこかの街で、ピルクルを飲んで、アイプチと充電池を購入
英単語・熟語ダイアローグ1800―対話文で覚える 英単語・熟語ダイアローグ1200―対話文で覚える 電池は、この本の内容を聞くため


・民家のガレージで寝ていて、車にひかれる
→ あわてて逃げるが、食べ物の入ったリュックをあきらめきれず、取りに戻る
このあたりから、田舎道や工場の街などを歩くシーンが増える。
風景や草花の描写などもありつつ、幻覚らしき描写も。
銃夢 Last Order 1 (ヤングジャンプ・コミックス・ウルトラ) 銃無のガリィに似た、動かない女性を見る。
→ 描きとめておきたかったが、筆記用具がなかった
・人馬とラブホテルを見る

・立ち寄った公園のトイレで、間違って警報ブザーを押してしまう。
→ 逃げる

・海と夜景を見て、静岡にいることに気づく
→ 逃亡者は本能的に北に逃げるんじゃないのかよ、と自分に突っ込む
→ 福岡に遊びに行くとメールしてたことを思い出し、結局北へ逃げる

青森でホームレスになろう、と決意したところで第1章完。


第2章
電車に乗ったり、線路沿いを歩いたりしながら、北へ向かう

・青森の海沿いの公園で1週間ほど過ごす
→ ホームレスからゴアテックスと寝袋、食料をもらう

・公園のトイレで唇の整形を試みる

・お金がいる、と働くことを決意
→ 誰かの街頭演説で、青森の求人率は全国ワースト2位と知る
→ ここでは仕事を得られない、大阪には仕事があるだろう

・大阪へ移動
→ 図書館でドヤを検索して読んだ本で、あいりん地区という言葉が出てくる。
→ あいりん地区まで歩く。飛田新地も通りがかる。
西成のどこかで眠ったところで第2章完。


第3章
ハローワークに並ぶ
→ 男から「小便かけるなよ」と意味の分からない言葉をかけられる
→ 「ここでは働けない」と思う

・読んだことはない「死国」の内容を思い出す
死国 (角川文庫)「死者のことを思いながら四国の遍路道を歩くと、その死者がよみがえる」
→ お遍路をしよう
→ 西成を出るとき、大きなバックパックを拾う

・高松へ着き、お遍路の本を購入。歩き始める。
クロコダイルの涙 DTSエディション [DVD] ラジオで「クロコダイルの涙」という言葉の意味を知り「死んでもいい」と思う
→ 殺人犯が女性の絵を描いたりと自分と同じような事をしてて、印象に残っていた作品。

・おなかがすいたので、びわ畑から実をもいで食べる
→ 初めて食べる、砂糖とは違う もぎたての果物の甘さ
→ 急に、「彼女はもう生き返らない」と現実に戻る
→ お遍路の目的はなくなったが、歩き続ける。男の幽霊を見る

・初めて四国で指名手配写真を見る
→ 自分のしたことは誰からも許されない
→ 自殺する勇気はない。自首しても減刑にならない。
→ 無人島で一人で暮らそう。

・図書館で「離島」を検索。
コザに抱かれて眠りたい…zzz―沖縄チャーステイストーリー「コザに抱かれて眠りたい」という本を読み、沖縄に興味がわく
→ 松山からフェリーで大分へ渡り鹿児島へ、鹿児島から沖縄へ渡ろう、と思う

・太平洋沿いを歩いて、無言で黒バンに乗り込むダイバーを何人も見かける
密漁か密航だろうか。でも関係ない

高知県に入って緊張する。
広末涼子の出身地だし。写真で見た四万十川も印象に残ってる。

・古本屋でバキの地下闘技場編を購入。
バキ―New grappler Baki (No.1) (少年チャンピオン・コミックス) 強い死刑囚を見て、自分をはげます

・のちに「死国」を読み、で死者をよみがえらせるのは、「逆打ち」で、自分の巡りかたは逆だと知る
・フェリーで大分へ向かう。
沖縄行きのフェリーに乗ったところで、第3章完。


第4章
那覇港到着。
・調理用具、ビニールボートなどを購入。
ライ麦畑でつかまえて」のペーパーバック、英語辞書、フランス語辞書を購入。
→ 昔から大好きで、読んでいて気持ちがよい本

那覇からフェリーに。乗船名簿にはタウンページの適当な住所を写す
・フェリーが島に着き、しばらく島で生活。
→ 魚はうまく取れなかった。タコの木やノニの木の実を食べる。
→ ノニはおいしくない
・水がなくなった
→ 砂、珊瑚、葉などで ろ過装置を作るが、うまくいかない
・民家を発見、老人に「泊めてほしい」と頼む
→ 「住んでる人しか泊まれない」と隣島へ小舟で送られる
・隣島で「仕事はありますか」と尋ねる
→ 「3月ならバイトがあるよ」
→ 来年までない。ここを出よう。
那覇に戻るお金はないので、フェリーで途中の島で降りる
→ 「切符をなくした」と言ったら職員に囲まれる
→ 土下座して許してもらう
那覇に戻って漫湖公園で眠る
→ アルミ缶収集の人が、業者の場所を教えてくれた
→ 二百数十円、初めて稼いだお金。でもこれで生活は無理だ
4章はここまで。