銀河不動産の超越

銀河不動産の超越 (講談社ノベルス)

銀河不動産の超越 (講談社ノベルス)

無気力・無関心・無感動ー。そんな僕を激変させた奇妙な建物とは!?
タイトルからは想像つかないくらい、わりと普通なというか、SF要素の無い、ありえそうなお話です。
無気力というか、常に平然とした感じの、森ミステリィにはよく登場するタイプの主人公。
不動産会社につとめることになって、毎回(短編集仕立てなので)お客のために部屋を探します。
一見大きな事件は起こらないのだけど、このお話全体が、誰かの計算の元に…?と想像すると、ちょっと恐ろしいw 
でも、基本的には深読みの要らない、ほのぼのとした、ちょっと不思議で奇妙な、人生ってこういうものかもしれないなという感動もあるような、なんか楽しい作品でした。
それに、不動産会社の事務の佐賀さんという女性が、
ホームズばりの名推理を見せるのです。それも読んでいて楽しい。
舞台のひとつに、ただっぴろいホールのような建物が出てくるので、
(今日の写真のような)広い空間のカフェで一気に読み終えました。