読んだもの ボロボロになった人へ

ボロボロになった人へ (幻冬舎文庫)

ボロボロになった人へ (幻冬舎文庫)

エッセイだと思って購入して、本を開いてみると小説、
それも農家へ嫁に行くというのが「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」を連想させて沈んだ気分になり、放置しかけていた本。
2時間ほど時間が空いたので読んでみると…、面白い!
短編集で、ひとつひとつが余韻のある作品なので ほんとは少しずつ読みたいのだけど、ページを捲る手が止まらなかった。
何編か読み進めるうちに余韻が蓄積されて頭がいっぱいになり、今読んでる文章が頭に入らなくなってきた。
そうしてようやく、手を止めることが出来た…そんな本。
amazonの評価が1から5までバラけてるのが、なんだか「らしく」て面白い。星つけるなら5かな。
・「大麻農家の花嫁」
タイトルを見ずに読み始めたので、真相が少しずつ分かってくるようなサスペンスフルな読み方ができた 笑
女性の描かれ方が妙にリアル。そして農家かっこいいw

・「死刑」
この設定はアイデアものやなーと思った。どことなく筒井康隆。あんまり読んだこと無いけど。
ラストが好き。

・「ねぎぼうず」
不気味なんだけど、アリだと思えてしまう。

・「おさびし島」
読んでて一番こたえた作品。神話的なものを感じる。といったら大げさかな。民俗学的な、というか。
これを読んだあと、本が読み進められなくなってしまった…。
コレが好きな人には映画「ドッグヴィル」をオススメします。


・「Little Baby Nothing」
ここまで徐々に沈んできた気分を吹き飛ばすような気持ちよさを感じた。
この作品にも暗いな部分はあるんだろうけども、希望とか明るさを感じる。