赤い右手

赤い右手 世界探偵小説全集(24) ジョエル・タウンズリーロジャーズ「赤い右手」読了。「想像通りの結末」と書くことになるだろうと思っていたら。想像以上にアクロバティック。ただし論理のアクロバットではなく、犯人の行動が無理筋すぎ。
 あからさまに露骨なミスディレクションに、「なんなんだろうこれ…もしかしてミスディレクションじゃなくてこれが真相?」と思いながら読んでいたんだけど、この作品が発表された時代を考えると、まだあんまりミステリが洗練されていなかったのかも、などと納得させられる。真相の凄さも含め、時代がかった感じを楽しめるっつうか。。。
 トンデモ系だとか「なんやこれ!」だとか聞いてたわりに、あるいはそのせいか、ショックは少なかったです。「いや、無理やろ…」と思わせるトリックは現代でも色々あるものな。
 リーダビリティはよかったです。
 ひとことで言うと、「気をつけな!やつはこすずるいぜ!」