追手門学院大手前高等学校「かまいたちごっこ」

追手門学院大手前高等学校かまいたちごっこ」(脚本 中條岳青)観劇。無名劇団(id:gma:20060625)の代表のひとが話を書いたというので期待…

舞台上には古びたメリーゴーランド。サンタの格好をした男がロボットダンスを踊っている。
サンタが去る。
キョロキョロとした感じで、男女がひとりずつあらわれる。
彼ら7人は靴下を見せ合って、何かを確認したようにうなずきあう。

というオープニング。まずダンスが本格的で上手くて、いきなり引き込まれた。
そのあとすぐに、「なんだろう?」と思わせるシーン。
この時点で、上手いなー、これは面白いはず、と確信しました。

靴下の男女が去ったあと、TVクルーが坊さんと女性にカメラを向けている。
これはスピリチュアル系の番組で、女性は事故で子供を亡くしていて。
クルーは坊さんに、子供の趣味などに関する資料を渡す。どうやら霊視のカンペらしい。
そして、この番組と平行して、さっきの靴下の男女7人を盗撮してる。
彼らは 親殺し.netというサイトを通じて、証拠を残さずに殺せるというクスリを手に入れるために集まった。
ピエロという人物から、そういったタレコミがあったのだ…

すげー好みのストーリーです。出だしでワクワクしました。
最初はエンターテインメント風に観客の心をつかんでから、テーマである親子問題に持って行く辺り、ほんとに上手いなと思った。
いきなりシリアスな話題をもってくるのではなく、謎を提示して、何?と思わせてからテーマを出すことで、スッと入って行けると思った。
笑いあり、ダンス有り、殺陣あり…ラストも素晴らしく、最初から最後まで楽しんで、感動しました。
TVのヤラセ問題や、なんでかんでもスピリチュアルなことに関して、風刺もきいてた気がします。
いいものを観ました。
審査員の先生方は、ピエロが何者だったのか良く分からない、というようなことを言ってました。
私は違和感無く受け入れられました。
あのサンタがピエロだという前提で…
タレコミが元で色々あったけど、結果的に全部良い方向に向かったし、
そうするとあのタレコミとその結末は、サンタのプレゼントがもたらしたクリスマスの奇跡なんだな、と。
サンタの正体は親である場合がほとんどなので、親子のテーマにはぴったりだなとも思いました。
ついでにもうひとつ。
審査員の先生方が、「サイトで知り合って、お互い知らない同士が、いきなり親のことを話したりするのか」
というような事を言われてました。
初対面なのに親しく見えてしまう、というようなことだったかと思います。
多分、先生がたはネットで知り合った、名前も知らない人たちと集まったことは無いと思いますが…
知らない同士だからこそ、色々話せることも有ります…
その集まった理由がディープなほど、いきなり打ち解けたりも出来ます。

話は変わって、仙道役のひとがすごい存在感でしたw
この名前とトランプのイラストからして、冨樫義博さん好きなのかな?