金蘭会高校演劇部「真夏の夜の夢」

今日は世界規模の演劇祭典「シェイクスピア24」というものが行われてて、24時間通して世界のどこかでシェークスピアを演ってるのだとか。
http://www.crossculture.jp/shakespeare.pdf
日本では金蘭が公演を行うというので、観てきました。

真夏の夜の夢を見るのは4回目くらい(宝塚のビデオと、高校のときの演劇と…脚本も読んだ)。
見慣れてるだけに、劇団ごとの特徴や演出を楽しめると思う。

で…どんなアレンジでくるかな、と楽しみにしてたら。
着物と学生服!
これだけでかなり別物の風情が出ますね。
元々原作の持つ雰囲気に加えて、夏祭りの後の「嬉しい寂しさの」ようなものを感じた。


シェイクスピアものって、いつも導入部は感情移入しにくいんだけど。
最後にはシッカリ引き込まれて持っていかれました。
喜劇の中に散りばめられた悲劇、それは最後には取り去られるものだと知ってはいるのだけど。
悲劇の中の悲劇よりは身近にあるものだからか、意外に胸が締め付けられる。

とはいえ、後味爽やか。全体的に軽やかな味付けで。
世界中で超定番のシェークスピア、そこに金蘭の中での定番ギャグをしっかり入れてくるので、安心して楽しめました。
パックが最後に挨拶するところは何回観ても楽しい。

あとは役者さんごとの細かい感想 →→→。


ライサンダーの役者さんが「僕たちの好きだった革命」( id:gma:20070727 ) で熱いオッサン役を演じてたかたなのですが、あのときとは別人のような美形っぷりでした。役によって変えられるんだなあ。役者さんってすごい。
2組の恋人たちは特に着物が似合ってて、スラットしてしゃんとした感じがとても格好良かった。やっぱ着物は正解だなー。
ハーミアの役者さんも、ぐんぐん魅力的になっている気がします。恋するお嬢さんというかんじで、可愛らしい。それから、このひとは声が大きいのだけど、ただ大きいだけの声ではないなということをいまさら実感した。
さびしい声や、ささやく声でも、ボリュームが大きいのだ。いや逆か?ホールの隅々まで響く声量でささやくことができるというか。途中から聞き惚れてしまいました。
ヘレナ役のひとは「〜革命」で未来を演じてた人で、元々雰囲気があるひとだと思うんですが、雰囲気ある人が崩すゆえのギャップ、みたいな笑いも入れてきてて、良い感じでした。まろやかさ(?)も出ていて、昨日の蒼井優を思い出した。
この劇って、喜劇ではあるんだけど、まわりが全員浮かれてるなかで、女性陣2人が可哀想さやいじけた感じをシッカリ出していたので劇に深みが出てたなあ。

一方妖精側は喜劇っぽさを出す事に徹していて楽しかった。
ボトム役のひとも、今まで大人しい少年、というかひがみ気味の役が多かった印象が有るんだけど、なんか今日は美形なうえに色々歌って盛り上げてた。
タイテーニア役のかたは、得体の知れない色気と貫禄が素晴らしかった…。あのタイテーニアがいたから日本の妖精(?)のハナシとして成り立った気もする。


前のキンラン観劇はこちら → id:gma:20080329 次のキンラン観劇はこちら → id:gma:20080723